世の中には様々な病気が存在しますが、その中でも女性にとって比較的ポピュラーな病気がカンジダ膣炎というものです。おりものの異常が起きるのが代表的な症状で、膣カンジダ症などと呼ばれることもあります。一度も性行為の経験がなくても発症する可能性があり、イメージとは違ってごく一般的な病気となっています。

カンジダの診察を受ける女性カンジダ膣炎の原因は様々ありますが、決して性行為によって移されるようなものではありません。もし症状が現れても恥ずかしいと悩む必要はなく、できるだけ早く病院を受診することが大切です。自分でも早期発見できるように、カンジダ膣炎はどのような症状が出るのか、何が原因となっているのか、どうすれば再発を防ぐことができるのかといった知識を身に着けておくようにしましょう。

カンジダ膣炎はどんな症状が出る?

まずはカンジダの症状をチェックしていきましょう。
カンジダ膣炎を発症してしまうと、代表的な症状としてはおりものの変化が見られるようになります。女性が膣から分泌する物質のことを一般的におりものと呼ぶのですが、健康な時のおりものは少し粘り気のある液体です。しかしカンジダ膣炎になってしまうと、色や量など見た目が大きく変化します。

おりものの変化

まず色ですが、健康時には無色透明からわずかに濁った白っぽい色をしているおりものが、ドロッとした濃い濁りのある白色に変化します。白だけでなく、黄色っぽかったり緑がかっているなど、普段とは明らかに違う色になっていることが多いです。おりものの色によって膣炎の詳しい原因が異なることもあり、自己判断せずに病院で診察してもらうことが大切です。

次に、おりものの臭いも強くなります。初期の段階や軽症の場合はほとんど臭いは無いのですが、悪化してくると鼻を衝くようなツンとした刺激臭がすることがあります。排卵期にはおりものの量や臭いが変化するので誤解されることも多いので、自分が今排卵期かどうかにも注意しておきましょう。排卵期でもないのに色や臭いが変化した場合は、カンジダ膣炎を疑う必要があります。

基本的におりものは粘り気があるのですが、カンジダ膣炎が悪化するとチーズのカスのようにぽろぽろとしたおりものへと変化します。膣の周辺に固くなってこびり付いてしまい、なかなか落とせないこともあるので注意が必要です。このような状態になると明らかに正常な状態ではないので、カンジダ膣炎だと判断しやすいでしょう。

おりもの以外の変化

おりものの変化で体調が悪い女性すぐに分かる症状としてはおりものが挙げられるのですが、粘り気が無くなってぽろぽろとしたおりものになってしまうと、既に症状が進行していることを意味しています。できることなら早期発見したいところですが、そのためにはおりもの以外の症状にも注意しておく必要があります。カンジダ膣炎になりかけている場合、ホルモンバランスが崩れて膣内の衛生環境が弱まっていることが多いです。女性にとってホルモンバランスは非常に重要で、バランスが崩れると身体に様々な不調が現れるようになります。

例えば、わけもなくイライラが止まらなかったり、便秘や下痢がなかなか良くならない、トイレに行った後に膣にチクッとした痛みを感じるなどの症状がみられます。この他、毎日やたらと眠くなったりストレスを感じるなど、精神的な症状が現れるケースも多いです。これらはホルモンバランスが乱れた影響によるものなので、生理前でもないのにこういった異変を感じた場合は膣やおりものの変化に注意しておくことをお勧めします。

さらに、外陰部周辺に非常に強いかゆみを感じることもあります。最初は少しかゆいなと感じる程度だったのが、日が経つにつれてかゆみが増し、ついには我慢できずに掻きむしってしまう程に強くなればカンジダ膣炎になっている可能性が非常に高いです。膣炎は時間の経過とともに症状が確実に進行していくので、かゆみの強さがどのように変わっていくかに注意しておきましょう。

このように様々な症状が現れるのですが、厄介なのが感染しているのに一切症状が現れないというパターンです。おりものの変化やかゆみなどは比較的気付きやすいので早期発見にも繋がりやすいのですが、感染者の中にはほとんど症状が現れないという人もいます。おりものがぽろぽろしたり臭いがきつくなることもなく、かゆみも感じないとなかなか感染していることに気づくことができません。知らないうちに悪化して、急に酷い症状が現れてしまうというケースもあるので症状が無いからと言って安心はできません。

このような場合でも、おりものの量が増えるという症状は現れることが多いです。かゆみや痛みを感じなくても、一日に何度も下着やおりものシートを変えなければならないほど量が多い場合は、カンジダ膣炎の症状の可能性を疑ってください。

カンジダ膣炎の原因は免疫力の低下

カンジダ膣炎の直接的な原因は、普段から膣内にいる常在菌が異常に増殖して悪さをしてしまうためです。常在菌は誰もが持っているもので、不衛生にしているから増殖するというわけでもありません。カンジダ膣炎の原因菌はカビ菌の仲間であり、私たちの身近にごくありふれている種類のものです。例え毎日きちんとお風呂に入って膣の周辺を清潔に保っていたり、下着をこまめに取り換えていたりしてもカンジダ膣炎を発症してしまう可能性は十分にあります。女性であれば実に70%から80%の人が一生のうち一度はカンジダ膣炎を発症すると言われるほどで、誰もが注意しておく必要があると言えるでしょう。

では常在菌がなぜ急に増殖してしまうのかと言うと、免疫力の低下が関係しています。普段は私たちの身体の至る部分や口の中、膣や内臓の中などに潜んで大人しく生きている常在菌ですが、大人しくしているのは免疫力が正常に働いて常在菌の悪さを抑えているためです。膣で言うと、クリーム色をした帯下という物質の中に善玉菌が数多く存在しており、常在菌と程よいバランスを保って増殖を抑えてくれています。

しかし、風邪をひいたり疲れがたまるなどして体の免疫力が低下してしまうと、善玉菌まで通常の活動ができずに勢力が弱まってしまい、常在菌の増殖を引き起こすことになります。これがカンジダ膣炎の原因と言われており、どのようなメカニズムによって発症するのか具体的なことはまだ解明されていませんが、免疫力の低下が大きく影響していることは間違いありません。他の病気にもなっていないし、身体は元気いっぱいなのにカンジダ膣炎になってしまったという人もいるでしょうが、自分では気づいていないだけで免疫力を低下させてしまうような生活習慣を送っている可能性もあります。

免疫力が低下してしまう原因は様々あり、上述したような風邪や疲れの他、ストレスが過剰に溜まったり睡眠不足が続いたりするのも良くないとされています。自覚がなくても身体は思わぬダメージを受けて免疫力が低下しているケースもあるので、思い当たる節が無いのにカンジダ膣炎を発症してしまった場合は生活習慣を見直してみることも大切です。

また、妊娠中の女性もカンジダ膣炎を発症しやすいという特徴があります。定期健診などで症状や感染が見つかることが多いのですが、これも妊娠によって体内のホルモンバランスが崩れ、免疫力に影響が出ていることが理由です。経口避妊薬を服用している人もホルモンバランスが影響を受けやすい状態にあるため、同じように発症しやすいと言えます。他の病気にかかって抗生物質を飲んでいるような人も、抗生物質の作用によって膣内の善玉菌まで殺菌されてしまい、バランスが崩れて常在菌が優位になることもあります。

このように様々な原因で免疫力が崩れ、カンジダ膣炎を発症してしまうことになるのですが、決してカンジダの原因菌そのものが怖いわけではありません。もともと私たちの身体の至るところに存在している菌であり、口の中に存在していれば食べ物と一緒に体内に入ってしまうこともあります。それでも免疫力さえしっかりしていれば、腸で他の雑菌と一緒に殺菌されるため増殖する心配はありません。

免疫力が低下してしまうと、もともと膣内に存在していたカンジダ菌や、腸で殺菌できずに排出されたカンジダ菌が膣に入り込んで活発に活動して発症してしまいます。カンジダ膣炎の発症を予防するためには、清潔を保つことよりも免疫力をとにかく維持していくことが重要と言えるでしょう。免疫力は様々な外的要因によって自律神経のバランスが崩れると低下しやすいと言われているので、普段からいかに自律神経を整えて理想的な状態にしておくかがポイントになります。免疫力を高める方法はいろいろとあるので、自分に適したものを見つけて積極的に実践してみてください。

カンジダ菌は常在菌の一つですので発症の予防を

カンジダ膣炎は、その人の体調や生活習慣で発症のしやすさが左右される病気です。カンジダ膣炎の原因菌はどこにでも存在する常在菌ですし、本来であれば発症する心配のないものです。このため女性であれば誰でも発症したり再発する可能性があると言え、いかに再発予防をしていくかが重要になります。

免疫力を高める

カンジダ膣炎の再発を予防するなら、何よりもまず免疫力を高めることが欠かせません。免疫力の低下によって常在菌が暴れ始めるために発症する病気なので、免疫力を常に高く保つことがポイントになります。健康な時は他の善玉菌に抑え込まれて全く活動することができないので、発症を予防することができます。免疫力を高めるためには規則正しい生活習慣が非常に効果的で、ストレスをためないようにしたり睡眠をしっかり摂る、栄養バランスの良い食事を摂るなど基本的なことでも十分です。ストレスの発散は難しいことも多いですが、適度な運動をしたり、自分の好きな音楽を聴きながらテレビを見るなど簡単なことでも効果はあるので、実践しやすいものからチャレンジしてみましょう。

下着を変える

また、通気性の良い下着を身に着けるというのも予防策の一つです。女性のデリケートゾーンはおりものの影響で常に湿気や温度が高くなっており、思った以上に雑菌が繁殖しやすい環境になっています。通気性が良く湿気のこもらない綿などの素材を選び、汚れたらこまめに取り換えるなどの対策も必要です。また、洗濯しても常在菌が下着に残っている可能性もあり、そのまま着用すると繁殖した雑菌まで肌に触れてしまうことになります。このため、洗濯した場合はしっかりと下着を日光に当て、殺菌することも効果的です。

陰部を清潔にする

また、デリケートゾーンを常に清潔に保っておくことも大切です。雑菌は湿気が高い場所で繁殖しやすいので、できるだけ乾燥させるように心がけましょう。生理中にナプキンやタンポンを長時間付けたままにしていたりすれば、自ら雑菌を育てているようなものなので、あまり汚れていなかったとしてもこまめに取り換えることをお勧めします。カンジダ膣炎になったことのある人は予防のためにおりものシートを使うことも多いですが、シートは通気性が悪いため逆効果になってしまうこともあります。予防のためというなら、シートを使うよりもこまめに下着を新しい綺麗なものに取り換えた方がずっと効果的です。

トイレの後や入浴後など、水気をそのままにしているのも危険です。トイレットペーパーやタオルで優しく拭き、水分をしっかり取ってできるだけ早く乾燥させましょう。ちなみに、トイレットペーパーで拭くときには方向も重要です。腸の中にもカンジダ菌は存在しているため、排便の後にはおしりにくっついている可能性もあります。もしトイレットペーパーで後ろから前方向に拭いてしまえば、そのカンジダ菌が膣内に入ってしまう可能性が高くなります。これを防ぐため、トイレの後は必ず前から後ろ向きにトイレットペーパーを使うようにしましょう。

やり過ぎな予防法には注意を

また、清潔を気にするあまり、デリケートゾーンをボディソープなどで洗いすぎてしまうのも止めてください。膣内まで洗ってしまうのは論外で、そんなことをすれば膣内にいる善玉菌まで洗い流してしまいます。膣内は善玉菌によってある程度の自浄作用が保たれているため、洗うことで善玉菌の数が減ると逆効果になってしまいます。洗う場合はできるだけボディソープなどは使わず、お湯で優しく濯ぐ程度で十分です。最近はデリケートゾーン専用の刺激が少ないソープなども販売されているので、どうしても汚れが気になる場合は使ってみると良いでしょう。その場合も膣の中までは洗わず、入り口周辺を軽く洗う程度にしておくことがポイントです。

このように、カンジダ膣炎を予防したり再発を防ぐための方法はいくつもあります。カンジダ菌は常在菌の一つであり、誰でもいつでも発症する可能性があります。常に予防対策を心がけ、快適に過ごせるようにしておきましょう。

繰り返すカンジダ、辛いですよね。しかしカンジダは他の性病と違い、自らの状態を整えることで発症を最小限に抑えることが可能です。自分が発症してしまう原因やきっかけを突き止めて、カンジダに苦しまない生活を取り戻しましょう!